カンタンに言うと、飲食店で出されるスタッフ用の食事のことです。
「飲食店でアルバイトをすると美味しいごはんが食べられる!」というステキなおまけですな。
賄いにいたずらをする動画が拡散されました。
バカヤロー!なんてことしてくれたんだよ……。
テロの犯人は猛省をして賠償責任をはたすこと。
被害を受けたCoCo壱番屋さんの名誉回復を心から願っています。
賄いは大きく分けると、
この2種類があります。
賄いを出さない飲食店がありますが、少数派です。
なぜなら、賄いつきの条件があるとお店にとってバイトさんを集めやすいんですね。
やっぱりおいしいごはんが食べられるバイトは魅力的!
今回は飲食店で働いたことのない人でも分かるように「賄い」について分かりやすく解説します。
あと、ちょっと得する賄いの礼儀作法も教えますぜ。
賄いパターン1 お店のメニューが出る
バイト先を決める要因の一つに、『料理が美味しいから』というのがあります。
お店に食べに行って、ものすごく美味しくて「このお店で働きたい!」と思ってバイトを始める人も。
そんな人に朗報です。
次にお店のメニューを賄いで食べられるメリットについて解説します。
メリットその1 割引でお店のメニューが食べられる
賄いがお店で出しているメニューの場合は、割引で食べられる場合が多いです。
お店によりますが30%~50%オフだったり、「実質無料」で食べられる場合があります。
「実質無料」の場合は給料から料金が引かれて賄いが提供されます。
給料から引かれるのは少し損した気分になるかもしれません。
とはいえ、プロが作った料理を食べれて、引かれる金額は多くても1か月で5,000円程度なので安いものだと思いませんか?
1食250円くらいでおいしいごはんが食べれてラッキー!くらいで考えてみましょう。
メリットその2 自分の作ったものと比較できる
お店の料理は同じレシピであっても、自分が作った料理と他人が作った料理では味が違ってきます。
もちろんマクドナルドなどの大手ファーストチェーン店は味のブレを最小限にしていますが、
料理の工数が多いほど味の違いが出てくるものです。
たとえば、ペペロンチーノを作ったときにシェフの作ったものとバイトさんの作ったものでは天と地ほどの差があります。
作る人によって味に差がありすぎるのはよくないですが、美味しさの差を体感できます。
塩加減、加熱時間、調味料のバランス、経験値(作り慣れているか)などの様々な要素があって料理の美味しさが決まります。
シェフや先輩バイトさんの作り方をよく見るようになり、調理技術が向上します。
メリットその3 盛り付けを覚えられる。
お店の料理は美味しいのはもちろんですが、キレイに盛り付けすることも大事です。
ですが、盛り付けってなかなか覚えるのが難しいんですよね。
食材の配置の仕方や、配色のバランス(同色のものを近くに置かない。例えばトマトの近くに赤いパプリカを置かない等)、盛り付けの高さなどいろいろな要素があるからです。
しかもお店の料理はたくさんの食材で構成されます。
盛り付けを覚えるコツは、料理を何度も見て何度も作ること。
つまり経験を積むことです。
賄いはお店の社員さんや先輩バイトさんが作ってくれますが、自分で作ることもできます。
上手く盛り付ける練習ができるいい機会ですね。
次にお店で出していないメニューが出る場合を解説します。
賄いパターンその2 お店で出していないメニューが出る
昔放送していたテレ東の『DEBUYA』という番組内で、タレントの石塚英彦さんが自身のバイト時代の話をした際に
「シェフが賄いの方に力を入れたりする」
と言ってたのを覚えていますが、確かに当たっていると思います。
普段お店で出す料理よりも、好きなように作れる賄いの方が楽しいということですね。
イタリアンのお店だったら、イタリア料理以外のものを作りたくなるもんなんです。
なので自分は麻婆豆腐だったり、ガパオライスだったり、回鍋肉(ホイコーロー)だったり、から揚げをよく作ってましたよ。
こういうガッツリした賄いはバイトさんに受けがいいので大好きなメニューでした。
次にお店のメニュー以外の賄いのメリットを解説します。
メリットその1 飽きを防げる
ぶっちゃけ、お店のメニューだけだと飽きる。
ぜいたくな話ですが、店のメニューが賄いの場合は『飽きてきます』。
もちろん美味しいんだけど、同じ料理が続くと楽しめないんですよね。
極論ですが毎日パスタを食べられるでしょうか?あるいは毎日牛丼を食べられるでしょうか?毎日焼肉はどうでしょう?
店のメニューだけではレパートリーが少ないので、あえて店で出していないメニューを出して
バイトさんの飽きを防いでいます。
メリットその2 お店の食材で色々な料理が作れるか学べる
食材が同じでも工夫をすれば、いくらでも違う料理を作れます。
例えば、豚バラ肉のブロックを例にすると、
このようにいろんな料理ができますよね。
料理人は自分の専門じゃない料理でも、美味しく作れるのがすごい。
賄いを食べるだけで料理の勉強になりますね。
賄いはいつ、どこで食べる?
アルバイトでは一日中働く場合(『通し』と呼ばれる)と、ランチ営業もしくはディナー営業だけ働く場合があります。
そしてお店で出される賄いは基本的に1日1回。
一日中バイトに入る場合でも1日1回です。
ランチ営業が終わって休憩時間に食べる場合と、ディナー営業が終わった後に食べるパターンがあります。
賄いをどこで食べるというと、飲食店によりまちまちです。
ディナー営業の終わった後であれば、お客様はいないのでお店の中でテーブルに座って食べるのが一般的。
ランチ営業後であれば、お客様から見えない場所(休憩室)で食べます。
誰と食べる?スタッフと仲良くなるチャンス
賄いは一人で食べることもあれば、働いているスタッフと一緒に食べることもあります。
一緒に食べる時は、積極的にコミュニケーションをとることを勧めています。
なぜならバイト先に自分の居場所ができると、安心して仕事に取り組めるから。
はじめは誰とも面識があまりないからものすごくキンチョ―します。
飲食店で働くバイトさんは学生だけではなく、フリーター、主婦、バンドマン、変わったところでボクサーなど年齢も職業も違う人がたくさん。
だから最初は何を話せばいいかわからないと思います。
でも勇気を出して少しずつ話をすることで仲良くなって、自分の居場所ができるものです。
学生だったらテストの話、主婦だったら旦那さんとケンカした話とか、そんな軽い話でいいんです。
そこから皆との繋がりが生まれて居心地が良くなってきますから。
賄いを食べるだけではなく、皆と仲良くなる大切なものです。
お店にとっての賄いとは?
ここからはお店の裏事情の話です。
安く済む
原価(食材費)を考えれば、店のメニューを作るよりも安い。
お店のメニュー以外の料理を作る方が賄いは安く済みます。
なぜなら賄いで使う食材は余った食材だったり、そろそろ賞味期限が切れそうなもの(もちろん安全なもの)、業者から安く仕入れたものを使うからです。
具体的には
こんなパターンがあって食材費が安くなります。
賄いはバイト募集に有利なツール
飲食店は賄いをバイト募集に利用します。
他のバイトでは体験できないお店の味を提供することでバイト募集を有利にするためです。
お店の味を、プロが作った料理を体験できるのは魅力的ですよね。
先ほど書いたように、賄いは原価(材料費のこと)がそこまで高くないので、お店にとってはたいした負担ではありません。
だから賄いをバイト募集に利用しているのです。
バイトさんとの関係性を深める目的もあり
お店側からすると、賄いを提供することでバイトさんとの絆を深めたいと思っています。
つまり美味しい賄いでお店を好きになって、長く働いてくれることを期待します。
美味しくなかったり、忙しいから賄いを作れないのはバイトスタッフからの信頼を失いかねません。
だから賄いって結構気を使うんですよ。
美味しい料理を出すのは当然だけど、
面倒かもしれませんが、バイトスタッフからの信頼を得られるなら安いもんです。
終電が早くてお店で賄いを食べれないバイトさんには、パックに詰めて渡していました。
ちょっとお得な情報
賄いを食べる時のマナーの話です。
賄いを食べた後は作ってくれた人に「ごちそうさまでした」ということ。
賄いを作るのは飲食店の社員としては当たり前ですが、礼儀として「ごちそうさまでした」と言ってくださいね。
そして、自分で使った皿やフォークなどは原則として自分で洗うこと。
もし洗い物をしてもらう場合は必ず「お願いします」と言うこと。
店によってはルールは違いますが、自分で洗ったほうがお店からもバイト仲間からの好感度と信頼度が上がります。
「あいつ、礼儀正しいよね」とか、「あいつ、わかってんなぁ」ってね。
まとめ
以上、お店で出す賄いについて解説しました。
まとめると
賄いは社員さんが心を込めて作ってます。
どんなに疲れていても忙しくても、スタッフのことを考えて作っています。
賄い食べる時は心から味わって欲しいですね。
元店長の願いです。